「第2回おおさかNo-1(のうワン)グランプリ」発表レポート①

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おおさかNo-1グランプリ

2018.02.13

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「第2回おおさかNo-1(のうワン)グランプリ」発表レポート①

2月4日に松下IMPホールにて開催された「第2回おおさか No-1グランプリ」ファイナル。今回は、この「第2回おおさかNo-1グランプリ」で見事グランプリを受賞した大島哲平さんのプレゼンテーションをご紹介いたします!

【プランタイトル】

イタリアントマトの「ソバージュ栽培」を活用した「穂谷の里山」からのオモロイ都市農業再生プラン!

<「BLOF理論」で高品質・多収穫を目指し就農>

枚方市穂谷地域で「ひらかた独歩ふぁーむ」を営む大島哲平さん。

大島さんは非農家の出身で、2010年より枚方市の有機農家で研修・就職した後、2015年に独立就農。現在、「BLOF理論(科学的、論理的な有機栽培)」に基づく野菜の有機栽培を行っています。

今回グランプリを受賞したのは、「イタリアントマトのソバージュ栽培に穂谷の里山を掛け合わせ、そこで笑顔あふれる都市型農業を実現、発信していく」というプラン。新規就農者にも取り組みやすいイタリアントマト栽培技術を活用し、自身の体験に基づいた里山での都市型農業再生計画です。

<イタリアントマトのソバージュ栽培で地域活性を狙う>

大島さんのプランの主眼は、耕作放棄地の多い中山間地域でも経営が成り立つ営農モデルによる耕作放棄地の解消や、新規就農者の増加です。また、「イタリアントマト」という新たな地域特産品の産地化で異業種との連携を図り、地域活性化も狙いとしています。

グランプリファイナルの当日は、以下の内容で大島さんの経営強化プランのプレゼンが進められました。

・「イタリアントマト」について

・「ソバージュ栽培」とは

・「イタリアントマト」と「ソバージュ栽培」の関わりについて

・「穂谷の里山」の紹介

「第2回おおさかNo-1(のうワン)グランプリ」発表レポート① image 1

・「ソバージュ栽培」と「里山」を掛け合わせることの狙い

<「イタリアントマト」について>

まずはこのプランで栽培する作物「イタリアントマト」の魅力の紹介から。

「イタリアントマト」の特徴は…

・裂果しにくい(露地栽培○)

・傷みにくい(完熟収穫○)

・果肉厚く、水分少ない(料理○)

・旨味成分⇒加熱でより美味!

水分が少なく、うまみ成分が豊富に含まれている「イタリアントマト」。このトマトは、熱を加えるとうまみと甘みが増すため、主に料理用に使われます。皮がしっかりとしていて果肉が厚く、傷みにくいことなどから、雨の多い日本でも露地栽培で完熟収穫が可能です。

このトマトを、人手とお金のかかるハウス栽培ではなく、「ソバージュ栽培」と呼ばれる露地栽培で育てるのが大島さんの経営プランのポイントのひとつです。

<「イタリアントマト」と「ソバージュ栽培」の関わりについて>

ソバージュ栽培とは…

露地にアーチとネットを組み立て、そこにトマトを這わせて栽培する農法で、株間を広く取り、多本仕立てで栽培するため、栽培管理も一般的なトマトのように1本1本徹底する必要がなく、スポットチェックでOK。夏以降も霜が降りるまで収穫し続けられるので、省力で市場価値の高い夏秋を狙う長期の収穫が可能。

ソバージュ栽培のイタリアントマトは、甘みと酸味のバランスも良いと好評。市販のものとは違い、水っぽさがなく美味しく仕上がります。甘く、調理しても煮くずれがなく、味も濃厚です。

「第2回おおさかNo-1(のうワン)グランプリ」発表レポート① image 2

「さらに、収穫体験もできて、インスタ映えするトマトの写真が撮れることも利点です!」就農当初からソバージュ栽培に取り組む大島さんは、味の違いだけでなく、栽培に関する様々な魅力についても紹介しました。

<里山「穂谷」の都市型農業再生プラン>

今回のプランは、枚方市東部に位置する「穂谷」という里山で行います。ここは「にほんの里100選」にも選ばれた、古き良き日本の自然と歴史を感じられる場所です。

しかし、中山間地域であることから営農が難しく、農業人口の減少と耕作放棄によってその里山の風景が損なわれていくことが危惧されています。この穂谷で省力、低コストのイタリアントマトのソバージュ栽培を行って特産品を生みだし、他の生産者との連携で裾野を広げ、体験型の農業をすることで人々を誘う。それは、緑に満ちた美しい里山の風景の保存にも繋がります。

「売り手よし、買い手よし、地域(世間)よし」の三方よしの実現が大島さんの掲げる里山・穂谷での都市型農業再生プラン。

大島さんは、荒れ果てた耕作放棄地の棚田で農業を始めたのですが、その後、自らが農業をすることで農地が本来の姿を取り戻し、野菜が育ち、美しい景観が生まれ、そこに人が集まるようになったことが、今回のプランの発想の元。わずか3年でそれができたのです。課題は色々あるものの、イタリアントマトのソバージュ栽培は、新規就農者にとってハードルの低い営農方法と考えています。

<プラン実現へ向けて今後のスケジュール>

新規就農者を増やし、他の生産者とつながりを深める取り組みとして、種苗会社等と共にソバージュ栽培セミナーやBLOF理論入門講座の開催、収穫体験などの実施を検討中。2〜3年のうちには、地域でソバージュ栽培に取り組む生産者を増やして物量を確保し、イタリアントマトを地域の特産品として定着させ、地域活性化の一躍を担うことを目標に据えています。

今回獲得した賞金は、生産安定・産地化に向けた設備の導入や、講習会の運営、販路開拓に向けての資金などに利用されます。

グランプリ発表の瞬間、信じられないといった表情を浮かべた大島さん。「期待いただいての受賞だと思います。プランをしっかりと行動に移し、地域を元気にしていけるよう、一歩一歩頑張っていきたいです」と感想を述べました。受賞後のインタビューでは、「北河内の農業を盛り上げると共に、大阪産のよさを広めてブランディングにつなげたい」とも語ってくれました。

見事グランプリの栄誉に輝いた大島さんの経営強化プラン。プラン実現に向けた今後の取り組みが楽しみですね。

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